医療福祉の労務情報
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文書作成日:2019/08/31


 今回は、メンタルヘルス不調による休職後の配慮についての相談です。




 メンタルヘルス不調で休職していた職員が、このたび復職することとなりました。診断書には復職可能と記載されていますが、残業をする等、休職前と同じような業務ができるのか、また、させてよいのか、医院として心配があります。配慮が必要なのか、配慮するのであればどのような配慮を考えるのがよいでしょうか?




 医院としては、復職の是非の判断を行うだけでなく、スムーズに復職できるよう復職後の流れについても検討しておくことが望まれます。例えば、復職はするものの、リハビリのように一時的に業務の負担を減らし、ならしながら徐々に休職前と同じ程度の業務を行えるレベルまで戻していく方法が考えられます。このような配慮について必要性を示す裁判例も見られることから、ルール化も含めて、取り扱い方法をあらかじめ検討するようにしましょう。




 メンタルヘルス不調により休職をしていた職員について、医院は休職するに至った症状が回復し、休職前と同じ程度の業務を行えることを条件にして復職の判断をすることが一般的です。しかし、そもそもメンタルヘルスの症状や治癒を確認することは、専門機関であっても難しいといわれており、すぐに再発してしまうケースも多く見られることから、復職の是非だけでなく、復職後どのようなステップで業務にあたるのかといったことも、検討することが望まれます。具体的には、すぐに休職前と同じ業務量や責任の状態で復職させることは身体的・精神的な負担がかかるため、一定期間、業務や労働時間を制限する配慮期間を設けることを検討する方法が考えられます。

 実際、裁判例においても、休職前の業務の提供が十分にできないとしても、その能力、経験、企業規模等に応じて当該従業員を配置できる業務がないか検討する必要があること(片山組事件 最判平成10年4月9日)や、復職のための準備時間等を提供することが信義則上求められること(全日本空輸事件 大阪高裁判平成13年3月14日)が示されています。つまり、医院は配置転換や残業の免除の措置を検討するといった配慮をする、道義上・信義則上の責任があると考えられます。

 一方で、配慮期間を設けるにしても、その期間中、他の職員が業務を負担することが考えられるため、長期間にわたることは避けたいところです。そのため、配慮する期間の長さや労働時間を短縮する場合の時間数の上限、一時的に行う業務内容例といった具体的な基準をあらかじめ決めておきましょう。

 復職の際には、復職者が休職前と同じ業務をスムーズに行えることが理想ですが、必ずしもそうとは限りません。そのため、このように一定期間業務ができるかどうか、医院と復職者の双方が様子を見ることができる配慮期間があることで、安心して業務に復帰できることが期待されます。


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